クズ野郎式イエス・キリスト物語〜爆誕編〜
この題名を見てドン引きした人がいるかもしれないので最初に強調しておきます。
私はキリスト教が大嫌いで、全く興味がありません。
しかし現実問題として、西洋芸術にはキリスト教が深く関わっているわけで、新約聖書だけでも読んでおかないと、海外の教会に行ってもキョトン星人になりかねません。
だが「新約聖書いつか読んでみよう読んでみよう」と思っている人でも、主人公の行動の理由を「主がそう望まれたからである」で片付けるクソ小説を、キリスト教に興味もないのに読むはずもないわけですな。
これは早急に「キリスト教の神なんかどうでもいいけど聖書知っておきたいクズ野郎」向けの福音書が必要ではないでしょうか。
なんと偶然にも、
私はキリスト教の神なんかどうでもいいけど聖書知っておきたいクズ野郎だったため、新約聖書に含まれる4つの福音書を読み直し、頻出単語・エピソードを取り上げながら、全くのクズ野郎風にまとめてみることを思いつきました!
クリスマスだからね!
題して、
「クズ野郎式イエス・キリスト物語」とします!
ウェーイ!!!!
さて、始める前に、宗教的な議論や混乱を避けるために、私は以下のルールを守ることにしたいと思います。
【クズ野郎のルール】
・聖書に書いてあることを信用しない
・現代科学で不可能なものを「奇跡」と書かない
・キリスト教の神とイエスの神性は無視する
・聖書の自己流解釈を押しつけない
・キリスト教徒の人格を攻撃しない
・キリスト教徒に絶対にならない
ではお気楽に始めましょう。
<聖書の構成>
まず聖書をぱらぱらしたこともない人に、聖書の構成について解説したいと思います。
キリスト教の聖書は、旧約聖書、新約聖書の2構成に分かれています。
旧約聖書は人類誕生や、紀元前1200年頃に起こった出エジプトや、紀元前600年頃に起こったバビロン捕囚などについて書かれた本です。
旧約聖書の成立は私にはわかりませんが、少なくともイエスが誕生する以前には、ユダヤ人に広く周知されており、深く研究もされていました。
そのユダヤ教社会に、イエスが誕生し、旧約聖書を踏まえた新教義を編み出します。
それが新約聖書に書かれている、イエスの物語、イエスの弟子の物語などです。
新約聖書も信じる、つまりイエスの神性を信じるのがキリスト教徒ということになります。
<イエスは実在したか>
ちょっと疑問に思ってる人がいるかもしれないけれど、イエスという男は、割と実在してたっぽいです。
細かい事はよくわかんないので歴史の本を読んでほしいのですが、かなり実在してたっぽい(曖昧)
まあどっちでもいいんですが。
ちなみにイエスの苗字はキリストではありません。
キリストは「救世主(メシア)」的な意味の言葉で、修飾の関係的には「Jack the Ripper」みたいな感じです。
このまとめは、「キリストがメシアだろうが関係ない」のが心意気なので、基本的に当該男性のことは「ナザレのイエス」と呼ぶことにしましょう。
ナザレはイスラエルの地名です。名前の前にゆかりの地名をつけるのが聖書では流行ってました。
<処女懐胎>
このエピソードは超有名なのでみんな知っているでしょうが、イエスの母マリアは、何と処女のままイエスを身ごもった(という設定)。
事の詳細はこんな感じ。
マリアとヨセフが婚約
↓
マリアのところに天使ガブリエルがやってきて、「あなたは神の子を生む」と言う【受胎告知】
↓
ヨセフは処女厨(この時代だからね)だったため、婚約破棄しようとすると、ヨセフの所にも天使が来て、「生まれる子は聖霊だから心配するな」と言われる
↓
マリアとヨセフ結婚する
特に西洋芸術では、処女マリアの懐胎、受胎告知は人気のあるモチーフだよね。
マリアは絵画で描かれる時には、この絵のように赤と青の服を着ていることが多い。
カトリックでは「聖母マリア」として特にマリア像を崇める習慣もあるくらい、マリアはみんなのアイドル。
だが、私個人的に、すごいのはマリアよりヨセフだと思うんだよね。
結婚する前に妊娠したマリアと結婚する器の大きさがすごいよ。
絶対にあり得ないけど、マリアが神の力で身ごもったとしても、ヨセフがマリアと結婚するかどうかってまた別問題だからね。自分の子じゃないしさ。
ヨセフのキャパシティあなどれません。
<ベツレヘムの厩(うまや)>
さてマリアが臨月を迎えた頃、ローマ皇帝のジュリアス・シーザーから、全住民に向けて、出身地で戸籍登録しろという命令が下りました。
「なぜイスラエルの話なのにシーザー?」と思われるかもしれないが、当時イスラエルはローマ帝国の支配下にあったのです。
というかユダヤ民族は、他民族によって統治されることがめちゃめちゃ多くて、旧約聖書でも奴隷やってるし、新約聖書でも支配されてるという踏んだり蹴ったりっぷりを披露しています。
当時、ローマ帝国はもちろん多神教国家だったので、一神教のユダヤ人は異教徒だったわけですが、支配下にありながらも信教の自由が確保されていて、ユダヤ教は教団ファリサイ派、サドカイ派を中心に継続していました。
話が反れましたが、とにかくこういう命令のため、ヨセフは身重のマリアを連れて、出身地ベツレヘムに向かうことになりました。
しかしマリアはベツレヘムで破水します。バカじゃないの臨月なのに旅行するとか。
子供を生むために宿屋に行ったら、満員のため馬小屋しか貸してもらえませんでした。
そして有名なシーン、マリアはベツレヘムの厩で神の子イエスを生んだのです。
これ本当に厩だったのかなっていうのは疑問です。
どんなクソ宿屋でも破水した女性がいれば馬小屋よりはマシな部屋を貸してくれるのではないでしょうかwww
脚色臭がしますが、まあドラマチックで美しいのは良いことです。クズ野郎なので信憑性はどうでもよし。
<最初の客人:羊飼い>
ベツレヘムでイエスが生まれた頃、荒野で羊の番をしていた羊飼いの元に、天使の軍団が現れて、「救い主が生まれたから見に行け」と告げて去っていきます。
羊飼いも、さすが聖書、肝が座っていますな、「では見に行きましょう」と見に行きます。
これが有名なクリスマス讃美歌の「神の御子は今宵しも」とか、「荒れ野の果てに」で歌われている内容です。多分一度は聞いたことあるんじゃないかな?
「荒野の果てに」(Angels We Have Heard on High) - YouTube
<最初の客人:東方の博士>
同じくイエスが生まれた頃、イスラエルのユダヤ人統治者ヘロデの元に、東方の博士が尋ねてきました。
曰く、「ユダヤ人の王になるべくして生まれた方がいる。その人はどこですか」とのこと。
ヘロデはビビった。俺じゃないのかと。俺の子じゃないのかと。
で、色々調べた結果、旧約聖書に「救世主はベツレヘムで生まれる」と書いてあることがわかったので、博士達はベツレヘムで新生児を捜しました。
博士はイエスをみつけると、黄金、乳香、没薬を贈り物として捧げたのでした。
羊飼いと東方の博士が、イエスの最初のお客さんとなったわけです。
今回はこんな感じで終わりにしたいと思います。
余りクソっぽく書けていないので宗教臭がするかもしれません。
ただ弁解したいんだけど、赤ちゃんの時はみんなフツーなもんなんだよ。イエスも育てばヤバくなってきます。乞うご期待。