なぜ彼女は処女膜で歌ったか

つまり、何故アシカは鹿ではないか

詩人と獣

孤独でいなけりゃ半人前
絶望してなけりゃゼロ人前
ああうるさいな

私は誕生と共にこの世の終わりを想い
光の中に絶望を見出し
愛の中に怨念を歌った
もう十分じゃないのか

それでも
なぜ、どうして、と尋ね
書け、歌えと脅す
あれは悲しい言葉を喰らう獣

希望をなくした孤独な詩人の死を誰が悲しんでくれるだろう
冷たくなった言葉は海の底に積もる塵になるだけ

それでも書くことはこんなにも愛しい