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なぜ彼女は処女膜で歌ったか

つまり、何故アシカは鹿ではないか

【読書1/5第1回】△貴志祐介「悪の教典」▼綾辻行人「Another」

8月に読んだ5冊は以下のとおりです。

 

平山夢明「DINER」

「Another」がなければ文句なしのWORSTだった。殺し屋御用達のレストランでウェイトレスする主人公っていう時点で乙女ゲーっぽい設定だが、主人公や殺し屋の性格が乙女ゲーとしか言いようがない。なのにキスやセックスなど乙女ゲーの醍醐味がない。なんじゃこりゃ

 

貴志祐介「狐火の家」

どうやら「防犯探偵・榎本シリーズ」の2冊目だったみたい。1冊目読んでない。殺人事件の謎を解くミステリー短篇集。タランチュラが出てきすぎて死ぬかと思いました。

 

池井戸潤「オレたち花のバブル組」「オレたちバブル入行組」

半沢直樹」の原作。半沢直樹がヒーローになって銀行を断罪する話かと思っていたけど、違った。半沢直樹があくまで自分の好みと損得勘定に基づいて、自分の邪魔になる銀行の上司を陥れていく話。そういう意味では銀行の殺伐日常絵巻、と言える。結構面白かった。

 

BEST1/5・貴志祐介悪の教典

悪の教典

悪の教典

 

 私はこの本を2chのスレで見て借りてきました。まさかこんなに面白いと思わなかったっていうか、読み終わった直後はそんなに面白いと思わなかったんです。でも結構後日じわじわ面白みが出てきました。

この本の面白いところは、サイコパス犯罪者の心境がつぶさに描かれているところです。サイコパス犯罪者ってアニメなんかで出てくると「理解不能なバケモノ」みたいに扱われてしまって、結局理解不能なままで終わってしまうことがありますよね。でもこの本は違いました。サイコパス犯罪者の心境を、非常に論理的に描写してくる。こういう考えだから、こういう心境になって、こういう殺し方や行動をし、それからこういう気持ちになる、という一連の心の動きが共感できるレベルで説明されています。この本を読んだからといって、サイコパス犯罪者大好きにはなりませんが、サイコパスは思考回路がめちゃくちゃなのではなく、論理的に思考した上でそうなっているんだという考えになるし、きっとそういう人はいるに違いないと思えます。

また、最後の方に大量殺戮のシーンがあります。若干「バトル・ロワイアル」を想起したりするのですが、全然違います。

バトル・ロワイアル」に共感できないのは、何故殺し合いをするのか、という重要な点において何となく置いてけぼりのまま、最後まで殺し合いをするからです。「偉い人が決めたゲームだから」という設定だけど、こちらとしては「はぁ、そうですか」と相槌は打つけど納得はできないでしょう。心のなかでは「何でこんな突拍子もない設定にしないといけないの?そうじゃなきゃ描けないものでもあるの?」って思ったまま、生徒たちが殺しあう。納得いかない。

悪の教典」の場合、サイコパスが大量殺戮に至るまでの過程が余りに論理的であり、納得してしまう。「この話の流れだと、当然大量殺戮を行うしかないな、仕方ないな」と思ってしまうんです。読者を納得させた上での大量殺戮なんです。読み終わった後にこれに気づいたのですが、感心してしまいました。

文章も心境描写もわかりやすいし、分厚い本ですが内容が詰まっていて損した感じがありません。超おすすめです。

 

WORST1/5・綾辻行人「Another」

Another

Another

 

この本があったから、私は「読書1/5」を書こうと思ったと言っても過言ではまりません。

アニメの「Another」を観ていたので、なかなか面白い話じゃん原作あるじゃん読んでみようって思ったんだけど、アニメの方がずっと面白かったです。

設定はとても面白いんです。ある中学の3年3組は、毎月人がバッタバッタ死ぬ。その現象は毎年起こってしまう。唯一、その現象を防ぐには、クラスに一人「いないもの」を作ってしまうことだ、というもの。謎めいていてワクワクします。

こんなに設定が面白いのに、読んだ後味が悪いんです。それを通り越して、私は読み終わった後に腹が立ちました。作者に意地悪された、と思いました。

とにもかくにも、「神としての作者の意志」が物語の筋にめちゃくちゃ感じられるんです。そんなミステリーってそもそも読んだことあります?

問題解決のキーになるような謎がいくつかあるんですが、謎の答えを「作者が故意に読者から隠していた」ように見えてしまうんです。ミステリーって、「作者が謎の答えを隠しているようには見えず、本当に誰も知らないみたい」という状況が面白いんだけど、この話は終始「誰かが真実を知っている感じがする」という状態で、その真実について誰かに尋ねると、核心に迫る前に携帯電話が鳴ったり、急用が出来たりしてはぐらかされる。

携帯電話が鳴っても急用が出来ても、本当に重要なことなら一言だけでも伝えておく努力をすると思いませんか?でも彼らはしない。作者が神の視点から「もう少し時間稼ぎまーす!」という判断を下しているようにしか見えない。このはぐらかしがなければ、この物語はもっとページ数を削れたはずです。無理やり読まされたような気がしてしまいます。

またはぐらかす方法だってもう少し何とかならなかったのかと思ってしまう。ヒロインの中学生女子が、「謎の答えはずっと知っていたけど、言ってもどうしようもないと思って言わなかった」などという高度に文学的な理由により、謎の答えを物語の序盤から終盤までずっと隠しているんです。リアリティがなさすぎる。そんな気持ち悪い駆け引きができる中学生女子ってどれほどいるのか。

私は本当に腹が立つ小説だと思ったのですが、この小説が好きだという方の気持ちは結構わかります。設定が魅力的です。全体にゴシックな雰囲気が漂っているし、球体関節人形とか出てくるし、ヒロインは可愛いし、人がいっぱい死にます。そういうのが好きな方には結構おすすめできます。分厚い割に内容が薄いので、読みやすく感じますよ。

 

 

夢中になって語ってしまった・・・ウザいねすいません。

こういう自分のオススメする何かを紹介するのって記事としてハードル高いですよね。普通に書いても面白くないからね。しかも「おちんちんガールスカウト」を引きずってるので、めっちゃ語ってしまってるし、面白くない街道まっしぐらって感じ。今後は何か工夫します。