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なぜ彼女は処女膜で歌ったか

つまり、何故アシカは鹿ではないか

【読書1/5・第17回】△中島らも「今夜、すべてのバーで」▼「メインディッシュ」

読書1/5

沢木耕太郎「凍」

 実在の雪山登山家の壮絶な体験を小説化したもの。ノンフィクションだからなのかもしれないけど、インタビュー感というか、本人に対する遠慮みたいなものが若干残っている。ノンフィクションってこういうものなのかな。
 題材はすさまじい。登山の面白さが論理的に理解できる。現実に起こった話って思うから更に感動指数が上がっている気がして、若干ずるさを感じる。
 総合的に見て、かなり良い本の部類に入ると思う。

 

横山秀夫「ルパンの消息」

 最近、意外と警察官側からの犯罪解決小説って少ないかもしれない。犯人の心境に迫る小説が多いような気がする。これはスタンダードに警察が犯罪を解決する話。

 3億円事件とか、昭和の文化とか、読んでて勉強になった(こなみかん)

 

・荒木源「探検隊の栄光」

 テレビによるヤラセの探検隊っていうのはまあまあ面白いテーマだと思う。しかし文章力が微妙。心情描写がほぼ皆無なので共感とかがない。登場人物が8人?とか出てくるにも関わらず、それぞれの人間の設定を、テレビ局入社から描こうとする。読み切れない。

BEST1/5・中島らも「今夜、すべてのバーで」

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

 

 アルコール依存症の論理が見事に書ききられている。中島らも本人もアルコール依存症だったらしいので、「自分で自分の感覚を描いている」にすぎないんだけど、それにしても見事です。

 ストーリーは特にない。中島らも本人と思われる人が、アルコール依存症を悪化させ、入院し、自分の病状を色々考え、何とかお酒を飲めないか悪巧みし、別の患者と共謀したり、友達が死んだり、そういうパーソナルな話。

 患者は患者なりに自分の状態について分析していて、例えばこういう人はアル中になりやすいんだとか、こういう人は意外と大丈夫なんだとか、そういう分析が一々面白くて、ニコニコしながら読んでしまった。その上周りの人に「こんな本読みました!こう書いてありました!面白かったです!」と力説した。

 

WORST1/5・北森鴻「メイン・ディッシュ」

メイン・ディッシュ (集英社文庫)

メイン・ディッシュ (集英社文庫)

 

 うひゃひゃ!こういう系の話!こういう系の話が出てくるとすぐWORSTに飛び込んじゃう!

 主人公がものすごいウザい頭の悪い責任感のない都合のいい美少女で、ふわふわしててワケワカンねえイカニモ作者に創作されたような美青年が飯を作ることで、美少女の回りの人間関係の問題を解決する話。こういう話が世界で一番嫌い。

 美青年の方は薄ぼんやりした実像しかないから置いておくけど、美少女の方はさすがにキモい。周囲で起きる事柄に対して、心の中でツッコミすぎ。そのツッコミがまたお寒い。「化学構造式見ると気分が悪くなる」っていうのもキモい。読者に媚びてるのか何なのか。

 これが真面目な小説だと思うから腹が立つ。ライトノベルならあるある設定だし納得も行きます。

 「図書館戦争」の主人公が好きな人におすすめ。似てます。